PFCバランスの計算について

そもそもPFCバランスを計算する意味

そもそもPFCとは三大栄養素で

  • P:Protein タンパク質
  • F:Fat 脂質
  • C:Carbohydrate 炭水化物

を指します。なぜPFCバランスを考える必要があるのでしょうか。それは、

栄養素の中で人体の活動エネルギー源はこの3つだけだからです。エネルギーを摂りすぎると太るし、足りなければ痩せすぎてしまう。PFCはどれも必須の栄養素であり、エネルギーを過不足なく適切に摂るためには計算する必要があるのです。

他の栄養素であるビタミンやミネラルなどは、摂りすぎても尿で排出したりして身体が調整してくれます。しかしエネルギーは運動する以外に排出することができないので食べる量でコントロールするしかないのです。

糖質制限やタンパク質の摂取が流行っていますが、どの栄養素も摂りすぎや摂らなすぎはどちらも不健康です。タンパク質も摂りすぎはダメです。
これは世界中の医学的研究から明らかな内容です。そのため、病気にならない、長寿であるPFCバランスを覚えましょう。

基本的なPFCバランス計算方法

PFCのバランスは厚労省からはその比率は図のような程度で推奨されています。計算方法はいろいろあります。具体的にそれぞれ何g程度を摂ったらいいのか1つ計算方法をお伝えします。医学的には次のように計算します。(複雑です)

まずは健康的な理想体重、年齢、性別、活動量などから1日の適切カロリー量(エネルギー量)を計算し、その後PFCバランスをg数で考えます。理想体重は「身長(m)x身長(m)x22」で出します。150cmなら1.5 x 1.5 x 22=49.5㎏です。次にこの理想体重に基礎代謝量、運動量などの係数(x30~40程度)をかけた値がおおよその1日適切カロリー量です。女性や高齢者などの筋肉量が少ないかたや、運動が少ないかたは30をかけて、筋肉量や活動量が多い方は40程度をかけます(この計算式は少し複雑ですので面談などでご説明します)

例えば理想体重50㎏で活動量が低ければ1日1600kcal程度になります。上記の円グラフから糖質は60%、タンパク質15%、脂質25%で計算すると、糖質960kcal、タンパク質240kcal、脂質400kcalになります。ここで糖質4kcal/g、タンパク質4kcal/g、脂質9kcal/gですので、それぞれ糖質240g、タンパク質60g、脂質44gとなります。複雑と思う方はおよそ理想体重から考えておおよそ次の量で覚えてください。

体重当たり1日のPFCバランス摂取量

  • 糖質 4~6g/kg
  • タンパク質 0.8~1.8g/kg
  • 脂質 0.8~1.0g/kg

体重は目指す体重当たりの計算となります。

健康的な体重の計算は一番長寿と言われているBMI 22で計算します。

理想体重(BMI法)

健康体重 = 身長(m) x 身長(m) x 22(BMI)

  • 身長150cmの場合は1.5×1.5×22=49.5kgとなります
  • 高齢(70歳以上)の方の場合はBMI 24程度のほうがいいとも言われてきています

理想体重が50kgなら1日が大体以下の量になります。

タンパク質に幅がありますが、筋肉の材料であり、これは運動をしているかどうかで変わるからです。

  • 糖質 200g~300g
  • タンパク質 40g~90g
  • 脂質 40~50g

適切なPFCバランス、エネルギー量を摂取することが体重を維持するうえで最重要です。
特に現代人は糖質、脂質が多すぎて、タンパク質が少ない傾向にあります。

人体を構成している皮ふ、爪、髪の毛など細胞すべてがタンパク質でできています。タンパク質の不足は確実に病気、老化の原因なります。